考える素材

のーみそこねこねコンパイルも今は昔。
鳩里です。

諸事情有りまして来年もう一年大学生やります。
はっは、ばっかでー。

それはさておき、今年に入ってから色々考え事するネタになるような物を補給したのでそのまとめなど。
僕自身考えるネタがあればあるほどモノづくりのモチベーションも上がる方なので、いい刺激を沢山得られた一月半でした。



1.たまの映画
「さよなら人類」で一世を風靡した、たまというバンドのドキュメンタリー映画

流行の絶頂だった時期もあり、
メンバーの脱退もあり、
メディアから姿を消してマイペースに活動した時期もあり、
数年前に解散して、
それでも全員音楽を続けていて、
そうした諸々を通じて今改めて思うことを銘々が語る、という形式。

バンドのドキュメンタリーにしては珍しく当時の秘蔵映像のようなものはなくて、単に過去を振り返るだけではなく過去を教材にしたメッセージをメインに据えた映画だと思って観ると色々感じ取れるものがあると思います。
残念ながら途中で脱退したメンバーである柳原幼一郎(現・陽一郎)氏は今回の取材には応じなかったということで、出てきません。
その旨は劇中にきちんと説明されていました。
そうした説明や一つ一つのシーンや作りから、誠実に丁寧に創られた映画なんだと思います。

たまの曲を何曲か聞いたことがある人なら分かるとおもうあの独特の世界観に根ざしたメンバーに共通していた独特の死生観の話や、大事なものとの付き合い方、未来と過去の見方など、話の内容は物の見方、『価値観』の話が多かった気がします。


成功を絶頂と呼ばない。
不幸なイベントもどん底と呼ばない。


ただそこにあるものを楽しむことの大事さを説く、というほど説教臭くはないけれど確かに前向きなベクトルへの乗せ方のヒントになる映画だと感じました。
観る人によって目のつくところは違うだろうけれどそれだけに充実した作品だったように思う。


自分が観に行ったときは今泉監督とGさんことベース担当だった滝本晃司さんがトーク&ライブをする回だったので、小難しい話だけでなく制作の裏話なんかもちょっと聴けて楽しかったです。
Gさんは凄いセクシーなイケメンでした。
歌っているところを観ている自分の目は多分ハート型だったはず。
テアトル新宿の空気がG色に染まった、伝説の回でした。


映画の最後、スタッフロールのに合わせてエンディングの曲が流れる間、間奏中に電気がついて、スクリーンのカーテンが閉まりかけるトラブル?があった。
間奏中にライトが付いて、劇場全体が明るくなって、ラララと歌声が響いて、画面の両側からカーテンが迫って。
歌い出しの前にはスタッフが気づいてライトも消し直し、カーテンも元通り。
ただ、そのタイミングが余りにもぴったりで、スタッフさんの謝罪アナウンスがあるまでこのバンドがこれから先に待っている更に明るい未来を暗示した演出だと思ったほど。

こんな珍しいこと早々あるわけじゃないので、コレはきっといいことなんでしょう。



2.カンディンスキー青騎士
カンディンスキーが好きで、ずっと行きたい行きたいと思っていたこの展示。
試験などがあった中で、会期ギリギリながら無事観に行けました。
展示内容は文字通りカンディンスキーを中心とした青騎士のメンバーの絵を展示した展覧会。
カンディンスキーやクレーの作品はある程度知っていたので(変な表現だけれど)概ね予想通りの感動をもらってきました。
ただ、それ以外のメンバー、特にフランツ・マルクやアレクセイ・ヤウレンスキーの作品に目が奪われました。

虎がかっこ良かった。
肖像画が美しかった。

画集で見るだけではなくて、実際に実物の筆の跡一つまでじっくり見られるのは本当に大きなチャンス。
邪魔にならないところを見つけては隅っこでメモを取ったりしてました。
もっとおおっぴらに模写させろデッサンさせろということ迄は言えなくても、それくらい気軽にさせてくれる環境を整えたほうがいいと思うんだけれどなぁ。
知的好奇心や想像力を楽しませるものとして観るのか、それとも一教材として観るのかによって扱いが変わってくるのかも。
週一回や月一回でもいいから、そういう目的の人のみ入館できる日を設けたりしたらそれなりに話題性もあって繁盛しそうなものだと思うのだけれど、どうなんだろう?


3.口琴びよんびよん
とあるところで口琴という楽器の存在を知りまして、

『コレなら自分にも出来るかも!』

と浅はかな考えのもとハンガリー口琴とモンゴルの口琴を入手。
勿論一度に購入したのではなくて、時期をずらして一つずつ揃えて今現在手元には3つ。
その間毎日暇さえあれば自室でビヨンビヨンならしてます。
この口琴、キーワードが『倍音』という事で一人で気ままに慣らすだけでも楽しいし、落ち着くのです。
サイズも全て手のひらに収まるような小さなもので、デザインもキュート。
殆ど手作りなので、物によって鳴りの良し悪しがどうしてもあるそうなのだけれど、そうして鳴りの良くないものは加工してアクセサリーにする人もいるんだとか。
現在、少しずつ曲を引けるように練習しているけれど、やっぱりその道程は長い。
でも飽きるようなことはないし、音楽にならなくてもそこそこ楽しいので細々と続けていければいいなぁ。
時間とマイクの調子がよければ練習している様子とかUstで配信とかしたいなーとか思ってますが、あまり期待しないでください。



4.けむしさん来たりて
Twitterでけむしさんが東京に来るという話を聞いて、朝ごはんとお昼ごはんをご一緒させてもらいました。
メンバーは自分と腑抜けさんの3人。

新宿に高速バス乗り場で落ちあって以降、チェックインまでの半日東急ハンズの文具コーナーで落書きしたり、御飯食べたり。
朝一番でけむしさんに四季映姫様描いてもらって、 お返しと言っては何だけれど自分はメルランを一枚。
筆が遅いのはなかなか改善できないけれど、アナログでも少しずつだけれど納得のいく一枚が掛けるようになってきた気がする。
納得は納得でも現状の納得で、満足のいく一枚にはまだまだ程遠いのだけれど。


あと、東急ハンズは凄いね。
色んなものがあって見ていて本当に飽きない。
実験器具とか透明標本とか、ああいうのを全部一種類ずつ買って部屋にズラリと並べておきたいと思うのは自分だけではないはず。
急だったのできちんと予定の立てられないまま色々と計画に不手際があってお二人にはご迷惑もかけたけれど、なんやかんやで自分は結構楽しかったです。
本当にありがとうございました。


その後は腑抜けさんについていって渋谷のゲームセンターでピンボールを初体験。
ゲームセンターには今迄それ程熱中出来るようなものが無くてそれ程気にするようなこともなかったのだけれど、ピンボールは楽しかった。
あまり上手くは出来なかったけれど、覚え要素のあるものよりもその場の訓練や反射でガンガン出来るのは性にあってたし、何より漂うレトロ感が脳みそをくすぐる。
最近はおいているお店が減ってきて関東でも数少なくなってきているんだそうで、大宮にあったものも最近撤去されてしまったのだとか。
盛者必衰、時代の流れは仕方のないものだとはいえ、なかなか寂しい。
確かにレトロ感はあるけれど、時代遅れだとノスタルジーに浸るための道具って枠に収めるのは勿体ない。
単なる繰り返しの作業ゲーに慣れた人には多分この常に保ち続けなきゃならない緊張感は新しい楽しみになるんじゃないかと思う。



5.『瞬間から永遠まで』
神楽坂にある現代美術ギャラリー「eitoeiko」の展示(http://eitoeiko.com/exhibition.html)を見てきました。
展示した作家さんは、ながさわたかひろさん、高田隆平(unit.maker)さん、橋本悠希さんの3人。


なかざわたかひろさんはプロ野球の、一昨年まで楽天で昨年以降ヤクルトの選手を描き続けている作家さんで、特に現ヤクルトの一場投手のファン。
今回の展示作品はその好きが高じて2009年度の楽天の試合を8試合分を絵にまとめた19枚の絵。
書き上げた後は実物を持って行って実際にKスタに展示されたり、野村監督のところに押しかけて絵を受け取ってもらったりと凄いエネルギッシュな活動をされている方。
勿論選手に肖像権がある上に球団名など色んな権利が絡まっているので、そういった作品の殆どが販売ができないのが悩みだそうだけれど、それを話す顔がえらい楽しそうだったのが印象的でした。
一見すると普通の絵の上手い野球好きなおじさんなのだけれど、そういった権利関係をもっと前進させるためにはどうしたらいいか、考え試行錯誤している表現者っぷりがかっこ良かったです。
来週のバレンタインデー2/14からまた別のギャラリーで東京ヤクルトへの愛を込めて『ながさわたかひろ展 「告白/東京ヤクルト愛」』が開催されるようです(http://g-tokyohumanite.jp/human/2011/0214/0214.htm)。
余裕があったら是非行きたいです。


橋本悠希さんは最年少で、携帯電話を素材に使っていた人の顔や性格を投影して表現する作品を制作・展示されていた。
携帯の表面にその利用者の顔そっくりの立体的な造形を付けて、そこに色んなものでデコレーションされている。
昨今迷走気味の携帯電話に対し、機能ではなくデザインで突き抜けたひとつの例、といった感じなのかな。
近々海外での展示が企画されているそうで、陰ながら応援してます。


高田隆平(unit.maker)さんは以前twittermixiで取り上げたこともあるので覚えている人もいるかもしれないですね。
今回はこの方の展示を観るのが一番の目的でした。
unit.makerさんが今回はじめてUnitを作ったということで、期待してましたが、その作品の見た目の可愛らしさと歪さとその背景にある思想の可能性にふれて、心底来てよかったと思いました。


聴いた話をざっくりと抜粋すると、
『ゲームの中の魔法のような世界を、画面の中にとどめておくのは勿体ない。皆が思うように機械が動いてくれるような世界が実現したらいい。その為の単位体となるUnitを誰もが作り、誰もが利用する世界が理想。いつか思ったとおりに動く部屋を作ってみたい。単純にモノを作るだけではなく、そういった何らかの新しい思想を提供してこその芸術家。』
だそうで。


よくわかる部分と分からない部分があったので余り履き違えてなさそうな
部分だけ取り上げてみたけれど、実際面白そうだと思いません?
Ustを観た人もいるかもしれないけれど、展示作品はコントローラーで自由に制御できる四本腕のロボット。
モーターと骨、ビス等があれば如何様にも組み換えができるのが肝で、そこから思い通りの形、思い通りの動きをさせることができる世の中の一つのモデルになっているんだそうだ。

自分の中で色々考えたいところもあるので、もう一度自分なりに考えをまとまったらもう一度行ってみたい。



……とまぁ、こうした事を踏まえてまた自分なりに絵を描いたり作品を作っていきたいと思ってます。
どの程度反映できるか、伝えられるかは自分の頑張り次第なので、まずはきちんと消化して吸収したい。
そういった意味では今日のコミティアも楽しみ。
折角出来た時間、有効に活用しないとね。

それでは今日はこんなところで。


関連リンクなど。
たまの映画 http://www.tamanoeiga.com/
 新宿での放映は終わっちゃったけれど、吉祥寺等でまだやってるはず。
 詳しくはHPを。

カンディンスキー青騎士展 http://mimt.jp/aokishi/
 終わっちゃいました。

口琴をかったタコシェというお店のページ http://tacoche.com/?p=445
 ここに出ている値段よりも更に少し安かったです。
 でも、renaissanceは僕が最後の一個を買ったので暫く品切れになるかと。

eitoeiko http://eitoeiko.com/exhibition.html
 『瞬間から永遠まで』を主催したギャラリーさんのHPと、以下その出店した作家さんのページ。
ながさわたかひろさん http://blog.goo.ne.jp/boosawa
高田隆平(unit.maker)さん http://www.unit9.jp/
※橋本悠希さんのHPは見つかりませんでした。残念。