二次元の季節

例の都条例改正が可決されてしまいました。
目が覚めるような、思いもよらなかった的確な指摘や考証、データがでてくるのを期待していたのですがそれも叶わず、議会の様子は矛盾と偏見と利己と惰性に満ちたものだったそうで、それだけにとても残念。
これから具体的な懲罰の程度を詰めるのだそうですが、少なくともこれによって全年齢向けの商業マンガやアニメにおける表現が保守的になるのは避けられないでしょう。


また、これに伴って、今回の規制に反対していた有志が石原知事の著作を題材とした同人誌即売会の開催が計画されています。
主催の高天原のページ(http://takama.ne.jp/top/niji_syushi.html)から、開催の主旨や開催の経緯を記したページに飛べるので、興味のある方は是非一度ご一読を。

風刺の手段としてはとても興味深いものですが、その運営や参加者次第では却ってその立場を悪くする事にもつながりかねません。
単なる石原知事の著作の揚げ足取りに終始した成人向け同人誌がその殆どを占めることになれば、それこそ『規制反対派は芸術作品も性的対象としてしか認識しないし、危険な性癖を誘発するおそれも十分ある』という解釈を受けざるをえないでしょう。
表現によって訴えることは大事ですが、ある程度精査した理論道理思想が伴って且つ伝える努力を怠るならば、単に我儘を振りまわしていると解釈されても仕方がありません。

何を訴えたいのか、どうすれば伝わるのか、その視点をきちんと持った人がそれぞれの答えを胸に作品を作り、運営し、参加すればきっと有意義なイベントになると思います。
「それでもこれを楽しみにしている」と言ってしまうと多分楽観的な意見だと思われるだろうけれど、やってやれないことじゃないと思うのです。
既に主催側の方のTwitterアカウントでは寄せられた疑問や懸念に十分配慮するの旨を述べていますから、これからどれだけの表現者がそこに賛同して参加するか、作品が集まるか次第になるでしょう。

このイベントは規制反対派の追い風となるのか、余計なお世話になるのかは蓋を開けてみないと分かりませんが、東京都の動きと合わせて注視していきたいと思います。


なんかこういう話ばっかりでもつまらないので、次の更新では冬コミの事とかご報告出来ればいいな。